どうして欲しいの

家に帰ってからもみじに濃ゆいミルクを与えた後、げろっと嘔吐してしまった
今回は乳白色ではなく、鮮やかな緑色の嘔吐物であった

もみじはその後ベッドでじっとうずくまったまま、お水を口元にあてがうと力なくぴちゃぴちゃと数回飲むが、すぐにいらないと顔を背ける
もみじの首元を指で撫でると顔を少し上向き加減にし、眼を閉じてグルグルと喜びの声を、耳を澄まさないとわからないくらいのか細さで絞り出す
どうして欲しいかと問うと小さく開いた眼が何かを伝えようとする
僕にはそれがなにかがわからない

どこか行ってしまいそうで見ているのが嫌で、
しかし何処か遠くに行ってしまうようで、ずっと首を撫でていたい
どうしたらいいのかわからず、ただ傍にいたり、タバコをふかしたり